旧暦で日本の文化の再考
現在の日本、世界で使用されている「こよみ」はグレゴリオ暦(新暦、太陽暦)で、明治政府が明治5年に改暦の公布を発し、和暦(旧暦、太陰暦)が廃止され、グレゴリオ暦に移行しています。背景としては欧米と貿易が行われる中で互いのこよみを擦り合わせる必要があったこともあるようです。ただ、日本の文化を再考するためには長く使用されてきた和暦を鑑みる必要があり、その中で先人の知恵が刻まれているように思います。「こよみ」の語源は「日読み」といわれており、古語では「日」を「か」と読み、日を数えることが「こよみ」で、古事記にもある月の神「ツクヨミ」は「月読み」とも考えられ、古くから和暦として太陰暦が使われてきた様子がうかがえます。和暦は月のサイクルであり、29.5日で繰り返される月の満ち欠けを1ヶ月としており、毎月ついたち(月立ち)は新月で、新月を「朔(さく)」と呼び、7日ほどのサイクルで上弦、満月(望・ぼう)、下弦となり、一巡りを「朔望月(さくぼうげつ)」というそうです。太陽暦は地球が太陽のまわりを一周する長さを1年としており、太陰暦は月が新月から次の新月になるまでを1ヶ月とし、29.5日では季節のずれが生じることから3年に1度程度閏(うるう)月を設け調整したことから、和暦は正確には太陰太陽暦になります。ただ閏月の前後は季節がずれるため、太陽の運行を元にし、二十四等分した二十四節気(にじゅうしせっき、1年を12の「節気」と12の「中気」に分類)、更に「初・次・末」の三侯に分け、七十二等分した七十二侯が設けられ、農耕を行う上での目安、季節の移ろいをこまかく把握できるような工夫がなされてきました。春夏秋冬、節気である立春、立夏、立秋、立冬は四立(しりゅう)と呼ばれ、月名を決める中気の夏至・冬至の二至、春分・秋分の二分は併せて二至二分(にしにぶん)、四立を併せて八節(はっせつ)と呼ばれています。本来の二十四節気は中国の中原を中心とした地域の気候をもとに名付けられており、日本で体感する気候とは季節感が合わない名称や時期があるため、補足で二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日などの「雑節」と呼ばれる季節の区分けを日本では取り入れています。また、七十二侯について江戸時代の天文暦学者渋川春海が日本の気候に合わせて改訂版を出し現在も使われています。またその他では、五節句と言われる風習、人日(じんじつ、1/7、 上巳(じょうし、3/3)、 端午(たんご、5/5)、 七夕(しちせき、7/7)、 重陽(ちょうよう、9/9)があり、中国から伝わったものを江戸幕府によって「 式日(しきじつ)」と定められ、公武行事として行われていました(日本大百科全書より)。
二十四節気
月名 | 一月 | 二月 | 三月 | 四月 | 五月 | 六月 | 七月 | 八月 | 九月 | 十月 | 十一月 | 十二月 |
節気 | 立春 | 啓蟄 | 清明 | 立夏 | 芒種 | 小暑 | 立秋 | 白露 | 寒露 | 立冬 | 大雪 | 小寒 |
中気 | 雨水 | 春分 | 穀雨 | 小満 | 夏至 | 大暑 | 処暑 | 秋分 | 霜降 | 小雪 | 冬至 | 大寒 |
12の節気と12の中気が交互で節は季節の区分、中は月の区分に使われる *Wikipediaより
*参考 グレゴリオ暦での目安
立春2月4 - 5日、雨水2月18 - 19日、啓蟄3月5 - 6日、春分3月20 - 21日、清明4月4 - 5日、穀雨4月20 - 21日、立夏5月5 - 6日、小満5月21 - 22日、芒種6月5 - 6日、夏至6月21 - 22日、小暑7月7 - 8日、大暑7月22 - 23日、立秋8月7 - 8日、処暑8月23 - 24日、白露9月7 - 8日、秋分9月23 - 24日、寒露10月8 - 9日、霜降10月23 - 24日、立冬11月7 - 8日、小雪11月22 - 23日、大雪12月7 - 8日、冬至12月21 - 22日、小寒1月5 - 6日、大寒1月20 - 21日
二十四節気と七十二侯の詳細
立春(りっしゅん)
初めて春の兆しが現れてくる頃。最初に吹く南寄りの風が春一番
初候 東風解凍(とうふう こおりを とく)
東風は春風のことで、中国の陰陽五行の思想では、春は東を司るものとされていたため
次候 黄鶯睍睆(うぐいす なく)
春の到来を告げる鶯(春告鳥)が鳴き声を響かせる頃。梅が開花(梅花乃芳し)
末候 魚上氷(うお こおりを のぼる)
暖かくなり湖の氷が割れて魚が跳ね上がる頃
雨水(うすい)
降る雪が雨へと変わり氷が解け出す頃。農耕の準備を始める目安
初候 土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)
早春の暖かな雨が降り大地が潤う頃。「獺魚(かわうそうお)祭る」季節。獺は魚を捕らえた魚を岸に並べた後にすぐに食べず先祖の供物をしているように見えたことから由来
次候 霞始靆(かすみ はじめて たなびく)
春霞がたなびき山野の情景に趣が加わる頃。規程1キロ以下が霧、それより薄いのが霞
末候 草木萠動(そうもく めばえ いずる)
陽光の下、草木が芽生え出す頃。この時期に降る雨は木の芽起こしといわれる
(2月旬の野菜)
明日葉(今日摘んでも明日伸びてくる)、春キャベツ、小松菜、辛子菜、菜花、白菜、蕗の薹(春一番の山菜)、さやえんどう、わさび、ブロッコリ-、カリフラワー、大根、カブ、根芋、高菜、ごぼう、セリ、アスパラ菜、たらの芽、葉玉ねぎ、島らっきょう、クワイ
(同果物)
イヨカン、ハッサク、りんご、キウイ、デコポン、レモン、
(同魚介類)
ハマグリ、白魚、ニシン(春告魚)、素魚、岩魚、ハマトビウオ(春とび)、アンコウ
、ホタテ、ボラ、サヨリ、イトヨリ、イワシ、カニ、タコ、カキ、アカガイ、ツブガイ、バカガイ、ナマコ、イカ、エビ、ヒラメ、カレイ、マナガツオ、メヒカリ、キビナゴ、ワカサギ、カワハギ、キンメダイ、真鱈、サワラ、ハタ、クエ、マダイ、カマス、カサゴ、アラ、ブリ
(その他)
鶯餅:豊臣秀長が兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開く際に「珍菓を造れ」と命じ、御用菓子司であった菊屋治兵衛が餅をつくり献上(奈良 菊屋が現存)
(行事)
初午:立春を過ぎて最初の午の日に稲荷詣する慣わし。稲がなることを意味する「いなり」から豊作祈願
2/8 事始:旧暦2/8に1年の祭事や農事を始める日で、おこと汁を食べるのが慣わし
2/7~9 毘沙門天大祭:妙法寺(静岡)で行われ「毘沙門天王」が娑婆に下り、人々の願い聞くといわれる。 毘沙門天像は聖徳太子の作と伝わる。全国のダルマ屋が出店する最大の「ダルマ市」
2/17 祈年祭:伊勢神宮で五穀豊穣を祈るお祭りで「としごいのまつり」とも呼ばれ、「とし」は稲の美称、「こい」は祈りや願いで五穀の豊かな稔りを祈ることを意味
2/第2金~日曜日 なまはげ柴灯祭:真山神社(秋田)で行なわれ、神事「柴灯祭」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた行事。ナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす年の節目にやってくる来訪神
2/18 谷汲踊り:谷汲山華厳寺(岐阜)で豊年を祈願して行われる。平家を討った源氏の戦勝記念が始まりともいわれる
2/25 北野菜種御供:北野神社(京都)の祭礼。菅原道真の忌日。梅花祭
3/3 浜下り(はまうり):女性の健康を祈り浜の白い砂を踏んで身を清める
お伊勢参り:季節の良い春に伊勢神社(三重)行くことが多かった。伊勢音頭を覚えるがお土産の定番
3/3、4 厄除元三大師大祭:深大寺(東京)の元三大師を崇めるお祭で、元三大師は比叡山の高僧で比叡山中興の祖。大火の際には大師堂が全焼したものの元三大師像は火難を免れ、霊験は七転八起の達磨の信仰と重なり、江戸中期よりだるま市が起ったといわれる。だるまの目には願掛け時に左目に梵字で物事のはじめを表す「阿」、願がかなったら右目に物事の終わりを表す「吽」の文字が入る。元三大師が鬼の姿となり疫病神を退散したときの姿を写し取った「おふだ」は「角大師(つのだいし)」と呼び魔除けとして知られる。元三大師はおみくじの創始者
啓蟄(けいちつ)
陽気に誘われ土の中の虫が動き出す頃
初候 蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく)
冬籠りをしていた虫が姿を現し始める頃
次候 桃始笑(もも はじめて わらう)
桃のつぼみがほころび、花が咲き始める頃
末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと けす)
冬を過ごしたサナギが羽化し、蝶に生まれ変わる頃。蝶のことは夢虫と呼ばれる
春分(しゅんぶん)
太陽が真東から登り、真西に沈む日
初候 雀始巣(すずめ はじめて すくう)
雀が枯れ草や毛を集め、巣を作り始める頃
次候 桜始開(さくら はじめて ひらく)
その春に初めて桜の花が咲く頃
末候 雷乃発声(らい すなわち こえを はっす)
春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。恵の雨を呼ぶ兆し。この頃の雷は春雷。虫だし雷
(3月旬の野菜)
ワラビ、蕗の薹、山うど、花わさび・葉わさび、アスパラガス、新タマネギ、山菜、コシアブラ、タラの芽、行者にんにく、カタクリ、ヨモギ、ツクシ、フキ、明日葉、タケノコ、チンゲンサイ(青梗菜)、辛子菜、レタス、春キャベツ、ニラ、セリ、黒キャベツ、豆苗、セロリ、つぼみな、根芋、ミョウガタケ、葉ごぼう・若ごぼう、キヌサヤエンドウ、グリーンピース、トマト、島らっきょう、葉玉ねぎ
(同果物)
イヨカン、ハッサク、いちご、キウイ、りんご、日向夏、デコポン
(同魚介類)
バカガイ、ホタテ、さくらえび、サワラ、サヨリ、マダイ、ハマグリ、サザエ、ニシン、コハダ、アサリ、カキ、アカガイ、ヤリイカ、ホタルイカ、イイダコ、ボタンエビ、アマエビ、イセエビ、シャコ、サクラマス、白魚、素魚、イカナゴ、ワカサギ、キビナゴ、ブリ、ハマトビウオ、メバル、カマス、ヒラメ、ムツ
(行事)
3/3 上巳の節句:桃の節句、ひな祭り。中国で母子草(御形)の餅を食べる風習があり、邪気を払うとされるよもぎを使った餅が食べられるようになる。+桃花酒、蛤汁
3/10 帆手祭:鹽竈神社(宮城)の神事で、日本三大荒神輿と呼ばれる。元々は正月の神輿洗神事で、火伏祭として始まったもが、海にゆかりのある「帆手祭」と呼ばれるようになり、厄除け、繁栄も祈念して、神輿が市内をまわる
3/13 春日祭:春日大社(奈良、藤原氏氏神)で行われる祭。三勅祭の一つ(葵祭、岩清水祭、春日祭)。「勅祭」とは天皇の勅使が神社に派遣された上で実施される祭事のこと。国家の安泰と国民の繁栄を祈る祭事
3/16 一六団子の日:田の神様が山から里へおりてくる日で16個の団子を作ってもてなした。この日は天気が荒れやすく田んぼに行ってはいけないことになっていた
清明(せいめい)
すべてのものが清らかで生き生きとする頃
初候 玄鳥至(げんちょう いたる)
海を渡ってツバメが南からやってくる頃
次候 鴻雁北(こうがん きたす)
日が暖かくなり、雁が北へ帰って行く頃。雁風呂(雁が残した枝で供養に風呂を焚く)
末候 虹始見(にじ はじめて あらわる)
春の雨が上がり空に初めて虹がかかる頃。内側は主虹、外側は副虹、霧の中は白虹、月明かりに浮かぶのは月虹
穀雨(こくう)
たくさんの穀物をうるおす春の雨が降る頃
初候 葭始生(よし はじめて しょうず)
水辺の葦が芽を吹きはじめる頃
次候 霜止出苗(しも やんで なえ いず)
霜のおおいがとれ穏やかに苗が育つ頃
末候 牡丹華(ぼたん はな さく)
牡丹の花が咲き出す頃。牡丹は花の王様
(4月旬の野菜)
サヤエンドウ、根三つ葉、新ごぼう、タラの芽、行者にんにく、ヨモギ、こごみ、筍(孟宗竹)、新じゃがいも、ワラビ、ゼンマイ、山うど、かき菜、辛子菜、明日葉、ニラ、レタス、春キャベツ、おかひじき、青梗菜、花わさび・葉わさび、セリ、豆苗、ホワイトアスパラガス、アスパラガス、セロリ、ミョウガタケ、フキ、根芋、島らっきょう、新たまねぎ、新じゃがいも、ナガイモ(春掘り)、トマト、さや豆野菜、ソラマメ、エンドウ豆、ウコギ、ツクシ、カタクリ、あずきな
(同果物)
いちご、甘夏みかん、デコポン、はっさく、びわ、アンデスメロン、マンゴー、ピーチパイン、グレープフルーツ
(同魚介類)
タイ、アイナメ、サバ、タチウオ、サヨリ、メバル、ニシン、トビウオ、サザエ、ホタルイカ、初カツオ、マアジ、メバル、イトヨリ、アサリ、ハマグリ、バカガイ、オオアサリ、サラガイ、トリガイ、ホタテ、シジミ、ホッキガイ、オキシジミ、アオリイカ、クロザコエビ、トゲクロザコエビ、ボタンエビ、シャコ、サワラ、きびなご、シロウオ、ハタハタ、ヒメダイ、シタヒラメ、アマゴ
(行事)
4/5ごろ 雨煎茶:清明が訪れる頃より手前につんだ茶葉を明前茶とよび一番茶
4/8 灌仏会:お釈迦さまの生まれた日。空から甘露の雨が降ったという言い伝えからさまざまな草花で花御堂をつくり、浴仏堂に誕生仏を置いてその上へ甘茶を注いでお祝い
4/11、12 吉野花会式:毎年金峯山寺の蔵王堂で吉野山の桜を神前に供える花会式が行われる。御供撒きといい千本つぎでついだ餅を参拝者にふるまう
4/13 長浜曳山祭:長浜八幡宮(滋賀)で行われ、長浜八幡宮は後三条天皇が源義家の願いを聞きいれを勧請したのが始まりといわれる。長浜曳山祭は豊臣秀吉によって始まり、源義家の武者行列を模した「太刀渡り」という行事を行ったことから続く祭
4/第2日曜日 今宮やすらい祭:今宮神社(京都)で行われ、平安時代後期、洛中に疫病や災害が蔓延し、桜の散り始める時期に疫病が流行したので、花の霊を鎮め、無病息災を祈願したのが祭りの起こりといわれる。京都三大奇祭の一つ
4/16 東照宮祭:名古屋東照宮で徳川家康の命日に開催され、境内での雅楽・舞楽が中心
立夏(りっか)
次第に夏めいて来る頃
初候 蛙始鳴(かえる はじめて なく)
田んぼなどで蛙が鳴き始める頃
次候 蚯蚓出(きゅういん いずる)
ミミズが土の中から出てくる頃
末候 竹笋生(ちくかん しょうず)
たけのこが出てくる頃
小満(しょうまん)
命が次第に満ち満ちていく頃
初候 蚕起食桑(かいこ おこって くわを くらう)
蚕が桑の葉を食べて育つ頃
次候 紅花栄(こうか さかう)
紅花が一面に咲く頃
末候 麦秋至(ばくしゅう いたる)
麦が熟して収穫の頃
(5月旬の野菜)
筍(真竹)、しそ、ソラマメ、グリーンアスパラガス、新じゃがいも、新タマネギ、フキ、ニラ、ワラビ、ゼンマイ、コゴミ、ヨモギ、山うど、タラの芽、行者にんにく、春キャベツ、青梗菜、三つ葉、おかひじき、豆苗、明日葉、じゅんさい、根菜、新ごぼう、ナガイモ、ラッキョウ、サヤエンドウ、シロウリ、トマト、なす
(同果物)
いちご、ビワ、夏みかん、メロン、さくらんぼ、ゴールデンキウイ、青ウメ、小梅、グレープフルーツ、マンゴー、パイナップル、ドリアン
(同魚介類)
タイ、ハモ、カマス、タチウオ、イサキ、キス、カワハギ、カツオ、タコ、オオアサリ、クルマエビ、サラガイ、ホタテ、シジミ、ホヤ、サザエ、アオリイカ、カミナリイカ、紋甲イカ、ホタルイカ、シラエビ、クリガニ、トゲクリガニ、ハナサキガニ、シャコ、初カツオ、サワラ、メバル、アジ、ニシン、キビナゴ、マイワシ、二ギス、シログチ、ハタハタ、ヒメダイ、ホッケ、シタヒラメ、マアナゴ、サクラマス、ベラ
(行事)
5/1頃 八十八夜:立春から数えて八十八夜の夜。八と十と八を重ねてできることから農の吉日。八十八夜に摘んだ茶は長寿の薬ともいわれる
5/3 博多どんたく港祭:平安時代京都御所の正月宮中参賀の行事が地方に伝わり、博多では松囃子を行われた
5/5 端午の節句:中国の菖蒲酒を飲む風習から菖蒲湯に。柏餅は新芽が出るまで葉が落ちないことから家計が途絶えない縁起物。ちまきは5/5命日の屈原の供養から始まる
5/11 鵜飼:7世紀頃から鵜飼(岐阜長良川)が行われていたと言われ、鵜飼を「見せる」ことでおもてなしの手法として最初に取り入れたのが、織田信長
5/15 葵祭:賀茂御祖神社(京都、下鴨神社)と賀茂別雷神社の例祭。三勅祭の一つ
5/15 神田祭:神田明神(東京)で行われ、山王祭、三社祭と並んで江戸三大祭の一つとされる。徳川家康が関ヶ原の合戦等で神田大明神に戦勝の祈祷を命じ、旧暦9月15日の祭礼の日に家康が合戦に勝利し天下統一を果たしたとされる
5/15 若宮祭:若宮八幡社(愛知)で行われ、名古屋三大祭として知られる。若宮八幡社は徳川家康が名古屋城築城に際し現在の地に遷座。名古屋の総鎮守とした
5/16 旅の日:松尾芭蕉が東京深川を離れ「奥の細道」へ旅立った日
5/第2日曜日 和歌祭:紀州東照宮(和歌山)の大祭で、和歌祭と呼ばれているのは、東照宮のある山を和歌山といい、一山を上げてのお祭のためと伝わる。紀州徳川家によって受け継がれてきた祭
5/第3金曜日から3日間 三社祭:浅草の浅草神社の例大祭。奉納される田楽「びんざさら舞」は古式に則ったものとして有名
芒種(ぼうしゅ)
稲や麦などの穂の出る植物の種を蒔く頃
初候 螳螂生(とうろう しょうず)
カマキリが生まれる頃
次候 腐草為蛍(ふそう ほたると なる)
蛍が光を灯し飛び交う頃
末候 梅子黄(うめのみ き なり)
梅の実が熟して色づく頃
夏至(げし)
一年で最も日が長く、夜が短い頃
初候 乃東枯(ないとう かるる)
うつぼぐさ(薬草)の花穂が黒ずんで枯れたように見える頃
次候 菖蒲華(しょうぶ はなさく)
あやめが花を咲かせる頃
末候 半夏生(はんげ しょうず)
半夏が生え始める頃
(6月旬の野菜)
ラッキョウ、トマト、みょうが、さやいんげん、ソラマメ、高原キャベツ、つるむらさき、モロヘイヤ、クウシンサイ、つる菜、ミョウガ、オオバ、赤紫蘇、三つ葉、ジュンサイ、おかひじき、グリーンアスパラガス、はす芋、ズイキ、エダマメ、キヌサヤエンドウ、グリーンピース、フジマメ、ゴーヤー、ズッキーニ、きゅうり、シロウリ、なす、オクラ、ししとう、ピーマン、パプリカ、万願寺とうがらし、伏見とうがらし、ヤングコーン、ベビーコーン、山菜、赤みず、にんにく、新しょうが、新ごぼう
(同の果物)
夏みかん、ウメ、ビワ、さくらんぼ、スイカ、ゴールデンキウイ、すもも、アンズ、イチジク、アメリカンチェリー、ブルーベリー、メロン、マンゴー、ドリアン、パイナップル、ライチ、マンゴスチン、バナナ
(同の魚介類)
ハマチ、アナゴ、カマス、タチウオ、スズキ、ハモ、アユ、アイナメ、シタビラメ、スルメイカ、アユ、スズキ、アイナメ、カンパチ、ホタテ、トリガイ、オオアサリ、ウニ、ホヤ、サザエ、イワガキコブシ、ジンドウイカ、ケンサキイカ、マダコ、ミミイカ、クリガニ、ハナサキガニ、ウチワエビ、シラエビ、ヒラマサ、ビワマス、マゴチ、イサキ、シマアジ、マアジ、キス、ツクシトビウオ、マコガレイ、メイタガレイ、マアナゴ、キジハタ・アカハタ、マイワシ、ヒメダイ、カツオ、ホッケ
(行事)
6/6 稽古はじめ:世阿弥が著した能の理論書「風姿花伝」が由来で7歳から習い事をする
6/15 山王祭:日枝神社(東京)で行われ、日枝神社は将軍家の産土神。山王祭はその規模は東都随一と称され、京都の祇園祭、大阪の天神祭と共に日本三大祭の一と称され、その祭礼に係わる費用を幕府より支出したことから「御用祭」ともいわれた
6/15 式年造営御柱大祭:諏訪大社(長野)で7年に一度、寅と申の年に行われる。諏訪大社は全国各地にある諏訪神社の総本社であり、 国内にある最も古い神社のひとつとされる。建御名方神が出雲で国譲りに反対し、諏訪で国を築いたとの言い伝えがある
6/23、24 ほおづき市(愛宕神社):愛宕神社(東京)で行われ社殿前の茅の輪をくぐりお参りすれば千日分の御利益があるといわれ、境内のほおづきを飲めば子供の癇・婦人病に効くといわれる
6月 御田植神事:神功皇后が田んぼを設け御田を作らせたのが始まりだといわれる。4/第1土曜日 香取神宮(千葉)、6/14 住吉大社(大阪)、6/24 伊雑宮(三重)
6/30 夏越しの祓:茅の輪(ちのわ)をくぐる、人形で自分の身代わりを作る、水無月(京都)を食べる等で厄を払う。愛染祭(大阪の愛染堂勝鬘院)などがある
7/1 祇園祭:7/1から1ヶ月八坂神社で行われる。祇園御霊会と呼ばれ869年に日本各地に疫病が流行したとき平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の矛を立て、祇園の神を祀り、さらに神輿を送って災厄の除去を祈ったことにはじまる
7/1 博多祇園山笠:櫛田神社(福岡)で行われ、疫病除去のため施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)をまいたのが始まりといわれる
小暑(しょうしょ)
梅雨が明けて本格的に夏になる頃
初候 温風至(おんぷう いたる)
夏の風が熱風を運んでくる頃
次候 蓮始開(はす はじめて はなさく)
蓮の花が咲き始める頃
末候 鷹乃学習(たか すなわち がくしゅうす)
鷹のひなが飛び方を覚える頃
大暑(たいしょ)
最も暑い真夏の頃
初候 桐始結花(きり はじめて はなをむすぶ)
桐が梢高く実を結び始める頃
次候 土潤溽暑(つち うるおいて あつし)
蒸し暑い頃
末候 大雨時行(たいう ときに ゆく)
夏の雨が時に激しく降る頃
(7月旬の野菜)
ゴーヤー、きゅうり、とうもろこし、モロヘイヤ、枝豆、ししとう、なす、オクラ、ピーマン、ズッキーニ、シロウリ、トウガン、パプリカ、万願寺とうがらし、伏見とうがらし、スウィートコーン、ユウガオ、トマト、さやいんげん、クウシンサイ、つるむらさき、高原キャベツ、ジュンサイ、オオバ、赤紫蘇、ミョウガ、葉とうがらし、にんにく、新しょうが
(同の果物)
スイカ、さくらんぼ、モモ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、アンズ、すもも、イチジク、メロン、マンゴスチン、ライチ、パッションフルーツ、バナナ、パイナップル、マンゴー、ドラゴンフルーツ、ドリアン
(同の魚介類)
ハモ、タチウオ、シマアジ、カマス、スズキ、ウナギ、アユ、イワナ、ウニ、カレイ、アナゴ、こち、うなぎ、トリガイ、ホタテ、サザエ、イワガキ、アワビ、シジミ、スルメイカ、ケンサキイカ、マダコ、シラエビ、ハナサキガニ、マアジ、ヒラマサ、カツオ、ツクシトビウオ、マイワシ、キス、メヒカリ、イサキ、チダイ、キダイ、アイナメ、ホッケ、マナガツオ
(行事)
7/9、10 ほおずき市(浅草寺):浅草寺(東京)の功徳日で、その日に参拝すると46,000日分の功徳があるとされることから「四万六千日」と呼ばれる。「ほおずきの実を水で鵜呑み(丸飲み)すれば、大人は癪(なかなか治らない持病)を切り、子供は虫気(腹の中にいると考えられた虫による腹痛など)を去る」という民間信仰に基づく
7/11 生玉夏祭:生國魂神社(大阪)で行われる、大阪三大夏祭りのひとつ
7/16 後の薮入り:1/16、7/16は嫁入り先、女中が実家に帰れる日。旧暦1月15日(小正月)と旧暦7月15日(盆)がそれぞれ重要な祭日であり、嫁入り先・奉公先での行事を済ませた上で実家でも行事に参加できるようにという意図だったとされる
7/25 天神祭:大阪天満宮(大阪)が創祀され、社頭の浜から大川に神鉾を流し、漂着した場所にその年の御旅所(神霊が休憩する場所)を設ける神事が行われるようになり、神霊は陸路で川岸まで出御、乗船して大川を下り御旅所へ向かうルートを辿る船渡御を行うという行事が起源。大阪三大夏祭りひとつ
7/24 管弦祭:旧暦6/17に厳島神社(広島)で行われ、平安時代に都では、貴族が池や河川に船を浮かべ管絃の遊びをしており、厳島神社を造営した平清盛がこの遊びを厳島神社に移し、神様をお慰めする神事として執り行うようになったことが始まり
7/25 田辺祭:鬪雞神社(和歌山)で行われ、旧城下の各商人町から8基の「おかさ」と言われる笠鉾が町中を練り歩き、紀州三大祭りの一つ
7/25 尾張津島天王祭:津島神社(愛知)の祭礼で、日本三大川祭りの一つ。良王親王が津島に逃れてきた際に、南朝方の良王を守る津島の四家七苗字の武士が、北朝方の台尻大隈守という武士を船遊びに事寄せて討ち取ったとの言い伝えがある
7/27 真鶴貴船祭:貴船神社(神奈川)で漁船や運送船の大漁や安全を祈って行われていた「船祈祷」が始まりとされる。神霊が真鶴岬の突端・笠島に流れ着き奉斎した故事に因んで行われる。日本三大船祭りの一つ
7/最終土曜日 隅田川花火大会:徳川吉宗が水神祭(花火)と始めたのが起源と言われる
7/最終土曜日 粉河祭:粉河産土神社(和歌山)の祭礼で、紀州三大祭のひとつ。提燈を灯しただんじりが運行され、渡御式(偶数年に実施)も行われる
7/31 住吉祭:住吉大社(大阪)で行われる祭礼。大阪三大夏祭り一つ。 夏越祓神事
8/1 八朔:初めて取れる早稲の穂をお世話になっている人に贈る風習
8/1、2~7 ねぶた祭:弘前8/1~7、青森8/2~7日。中国の七夕祭と古来から津軽にあった習俗と精霊送り、人形、虫送り等の行事が一体化して「ねぶた」と呼ばれる「灯籠」を川や海に流し、禊(みぞぎ)を行う行事として無病息災を祈るようになるといわれる。「ねむりながし」の眠りが「ねぶた」に転訛したものと考えられている。夏の過酷な農作業は体力を消耗し、眠くなると病魔が忍び入ると考えられおり、その眠気を払うために始まった「ねぶり流し」と呼ばれるお盆行事があった
8/3~6 秋田竿燈祭り:真夏の病魔や邪気を払う、ねぶり流し行事。竿燈全体を稲穂に、吊るされた提灯を米俵に見立て、五穀豊穣を祈願
8/3~5 御誕辰祭:防府天満宮(山口)で行われる旧暦6/25の菅原道真の誕生日の祭典
立秋(りっしゅう)
初めて秋の気配が見える頃
初候 涼風至(りょうふう いたる)
涼しい風が初めて立つ頃
次候 寒蝉鳴(かんせん なく)
ひぐらしが鳴く頃
末候 蒙霧升降(もうむ しょうごう)
深い霧が立ち込める頃
処暑(しょしょ)
暑さが少し和らぐ頃
初候 綿柎開(めんぷ ひらく)
綿の実を包む萼が開く頃
次候 天地始粛(てんち はじめて しじむ)
暑さがおさまり出す頃
末候 禾乃登(か すなわち みのる)
田に稲が実り穂をたらす頃
(8月旬の野菜)
きゅうり、トマト、ピーマン、新しょうが、トウモロコシ、さやいんげん、枝豆、オクラ、かぼちゃ、モロヘイヤ、高原キャベツ、クウシンサイ、オオバ、ミョウガ、つるむらさき、ジュンサイ、葉とうがらし、にんにく、トウガン、なす、ゴーヤー、ズッキーニ、パプリカ、唐辛子、スウィートコーン、アスパラガス(同の果物)
モモ、いちじく、ぶどう、すだち、すもも、プルーン、ナシ、デラウエア、巨峰、マスカット、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、シークヮーサー、メロン、スイカ、マンゴスティン、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、バナナ、パパイヤ、マンゴー
(同の魚介類)
アナゴ、カサゴ、ぐち、しじみ、メゴチ、マダコ、イワシ、スズキ、クロダイ、ハモ、アワビ、ツブガイ、イワガキ、ホヤ、ウニ、スルメイカ、ケンサキイカ、小ヤリイカ、クマエビ、ハナサキガニ、アマダイ、シマアジ、カレイ、ヒラマサ、カンパチ、イサキ、トビウオ、戻りカツオ、タチウオ、アユ
(行事)
8/6~8 仙台七夕まつり:仙台では七夕の笹のついた竹はその小枝を落とし物干竿に使用し、小枝は七夕飾りのついたまま川に笹を流して水を浴び洗い物を行い、 この日を 七日浴(なぬかび)ともいい「みそぎ」をして盆祭に入る準備をする日から始まる
8/10 よさこい祭:高知商工会議所が中心となり、1954年に開始
8/12 阿波踊り:精霊踊りや念仏踊りが始まりで徳島藩が成立して以後、盛んに踊られるようになったとされる
8/13 郡上踊り:郡上八幡宮(岐阜)で行われ、江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために、藩内の盆踊りを城下に集め「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい。」と奨励したため年ごとに盛んになったもの
8/15 深川八幡祭:鶴岡八幡宮(東京)で行われ、3年に1度八幡宮の御鳳輦が渡御を行う年は本祭りと呼ばれる。徳川家光が長男家綱の世継ぎ祝賀を行うように命じたことが起源とされる。江戸三大祭の一つ
8/16 西馬音内の盆踊り:鎌倉時代の修行僧が西馬音内御嶽神社(秋田)を勧請し、豊年祈願として踊らせたものに、関ヶ原の戦いで敗れて滅んだ西馬音内城主小野寺一族を偲び、土着した臣下たちが行った亡者踊りが合流したといわれる
8/16 五山の送り火:お盆の精霊を送る行事。東山に大の字、松ケ崎に妙・法、西賀茂に船形、大北山に左大文字、嵯峨に鳥居形が点る。松明の火を空に投げ上げて虚空を行く霊を見送るという風習から始まり、送り火は足利義政が創始者といわれる
8/16頃 灯籠流し:死者の魂を弔って灯籠やお盆の供え物を海や川に流す行事。永平寺大燈籠ながし(福井県)、京都嵐山灯籠流し(京都府)などが知られる
8/17 船幸祭:建部大社(滋賀)で行われ、日本武尊が船団を従え、海路をたどられた故事に基づき執り行われる。 瀬田川を海路に見立て船渡御が再現される
8/26、27 吉田の火祭り:北口本宮冨士浅間神社、諏訪神社 富士山のお山じまいに行われる。諏訪大社の祭神は建御名方神であり、国譲りの力比べに負けた建御名方神は、科野国(しなののくに・信濃)洲羽海(すわのうみ・諏訪湖)追い込まれ、建御名方神が戦をするときに、松明を燃やして戦った(寄せ手の軍はこれを援兵と見て囲いを解いて去った)のが由来との説あり
8/第4土曜日 大曲の花火大会:諏訪神社(秋田)の祭典の余興として開催された「奥羽六県煙火共進会」から始まり、全国花火競技大会と名前を変え規模を全国に広げる。当大会と土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)が有名
白露(はくろ)
大気が冷えてきて露を結ぶ頃
初候 草露白(そうろ しろし)
草に降りた露が白く光って見える頃
次候 鶺鴒鳴(せきれい なく)
鶺鴒が鳴き始める頃。イザナギとイザナミに契りの仕方を教えた
末候 玄鳥去(げんちょう さる)
ツバメが南に帰る頃
秋分(しゅうぶん)
昼と夜の長さが同じになる日
初候 雷乃収声(らい すなわち こえを おさむ)
夕立にともなう雷が鳴らなくなる頃
次候 蟄虫坏戸(ちっちゅう こを はいす)
虫が隠れて戸を塞ぐ頃
末候 水始涸(みず はじめて かる)
田から水を抜き稲刈りに取り掛かる頃
(9月旬の野菜)
さといも、マツタケ、ぎんなん、しょうが、なす、ズイキ、ルーコラ、辛子菜、クウシンサイ、高原キャベツ、モロヘイヤ、葉とうがらし、はす芋、セロリ、レンコン、ユリネ、かぼちゃ、きゅうり、ズッキーニ、トウガン、パプリカ、ピーマン、唐辛子、さやいんげん、ミョウガ、栗
(同の果物)
ぶどう、ざくろ、イチジク、栗、ナシ、かき、リンゴ、スモモ、あけび、プルーン、ベビーキウイ、ナツメ、クランベリー、シークヮーサー、すだち・かぼす、ライム、マンゴー、バナナ、ドラゴンフルーツ
(同の魚介類)
いわし、はぜ、とらふぐ、サンマ、アジ、アサリ、ツブガイ、スルメイカ、ケンサキイカ、マダコ、クマエビ、ハナサキガニ、アマダイ、トビウオ、ムロアジ、カレイ、イワシ、カンパチ、クエ、タチウオ、戻りカツオ、イシダイ
(行事)
9/9 角館のお祭:神明社、成就院薬師堂(秋田)のお祭。地域の繁栄や商売繁盛、家族の無病息災などを祈願
9/中頃 中秋の名月:景色とあわせて、池に映してなど、風情のある楽しみ方が古来よりなされてきた。桂離宮の池と楼は中秋の名月が正面に観える角度に配置
9/15 石清水祭:石清水八幡宮(京都)で行われる例祭。三勅祭の一つ
9/15 常陸國總社宮例大祭:常陸國總社宮(茨城)で行われる。武家階級の武運長久、五穀豊穣を祈願し、それが庶民に広まったといわれる。川越氷川祭・佐原の大祭とともに関東三大祭りの一つ
9/22~24 出世の石段祭(隔年):愛宕神社(東京)で行われ、御神輿が出世の石段(曲垣平九郎の逸話より)を行き来し1年を感謝する
9/第3土・日曜日 岸和田だんじり祭:岸城神社(大阪)の祭に献灯提灯を掲げたいと藩主に願い出て許可されたのが始まりとされる。だんじりを方向転換させる「やりまわし」が有名
寒露(かんろ)
露が冷たく感じられてくる頃
初候 鴻雁来(こうがん きたる)
雁が北から渡ってくる頃
次候 菊花開(きくのはな ひらく)
菊の花が咲き始める頃
末候 蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)
キリギリスが戸口で鳴く頃
霜降(そうこう)
霜が降りる頃
初候 霜始降(しも はじめて ふる)
霜が初めて降りる頃
次候 霎時施(こさめ ときどき ふる)
時雨が降るようになる頃
末候 楓蔦黄(もみじ つた きばむ)
紅葉や蔦が色づく頃
(10月旬の野菜)
白菜、大根、ニンジン、落花生、きのこ、しめじ、とんぶり、山芋、さつまいも、さといも、チンゲンサイ、レタス、辛子菜、セロリ、エビイモ、ジャガイモ、しょうが、ゴボウ、レンコン、トマト、カボチャ、うりずん豆、ギンナンクリ、ミョウガ、マツタケ
(同の果物)
柿、栗、なし、ぶどう、ライム、シークヮーサー、ざくろ、イチジク、かりん、あけび、リンゴ、ナツメ、キウイフルーツ、クランベリー、ぎんなん
(同の魚介類)
サワラ、サバ、イワシ、サンマ、ハゼ、アマダイ、ししゃも、ハタハタ、ホッケ、きんき、カワハギ、ツブガイ、アサリ、アオリイカ、小ヤリイカ、スルメイカ、クマエビ、イセエビ、シャコ、ニシン、カンパチ、タチウオ、アマダイ、イトヨリ、カマス、戻りカツオ、クエ、イシダイ、アジ、カレイ、ボラ
(行事)
10/1 ずいき祭:北野天満宮(京都)で行われる秋祭。菅原道真が大宰府で彫られた木像を持ち帰り、秋の収穫時に野菜や穀物をお供えして感謝を捧げたことが始まりといわれる
10/5 二本松提灯祭:二本松神社(福島)の例大祭。日本三大提灯祭りの一つ。織田信長の重臣丹羽長秀公の孫・丹羽光重公が二本松城城主として「よい政治を行うためには、領民にまず敬神の意を高揚させること」と考え、二本松藩総鎮守として二本松神社をまつり、領民なら誰でも自由に参拝できるようにし、本町・亀谷の若連が神輿を渡御したのが祭りの始まりといわれている
10/10 太秦の牛祭:広隆寺(京都)の大避神社の祭礼。慈覚大師が魔多羅神を中国から将来して叡山と太秦にまつったのが始めといわれ、僧侶の一人が、白衣に紙を垂らした摩多羅神の仮面をかぶって牛に乗り、四天王と呼ぶ赤鬼、青鬼各二人が巨大な面をつけ、矛を手にして、たいまつを振り立てながら社堂を巡り祭文を読む。京都三大奇祭の一つ
10/15 神嘗祭:伊勢神宮で行われ、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげて、御恵みに感謝するお祭り
10/15 灘のけんか祭:松原八幡神社(兵庫)で行われる祭。全国の「けんか祭り」の中でも最大規模の祭りであるといわれる
10/第2土・日曜日 大津祭:天孫神社(滋賀)の祭。長浜曳山祭と並んで湖国三大祭の一つ。江戸時代鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をかぶって踊ったのが始まりとされる
10/第3土・日曜日 川越氷川祭:氷川神社(埼玉)の祭。当時の川越藩主、松平伊豆守信綱が氷川神社に神輿・獅子頭・太鼓等を寄進し、祭礼を奨励したことが始まりとされる
10/16 新居浜太鼓祭:徳島の阿波踊り・高知のよさこい祭りと並ぶ四国三大祭り
10/22 鞍馬の火祭り:由岐神社で行われる京都三大奇祭の一つ。時の天皇が御所内の由岐明神を鞍馬の地に御遷宮した時に道々にかがり火を焚き、長い行列を進んだ姿を現す
10/8 長崎くんち:長崎の氏神「諏訪神社」の祭。二人の遊女が諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりといわれる
10/22 時代祭:平安神宮(京都)の祭。京都三大祭の一つ。平安神宮の創建と平安遷都1100年紀念祭を奉祝する行事として明治に始まる
10/23 博多おくんち:櫛田神社(福岡)の祭。秋の豊穣に感謝する祭りで、長崎くんちや唐津くんちと並ぶ日本三大くんちとされる
十三夜:旧暦9/13の月見。十五夜につづく月ということで、後(のち)の月と呼ばれることもある。醍醐天皇が月見をしたのが始まりとも、宇多天皇が十三夜の月を愛でたのが始まりともいわれる
10/29 宇和津彦神社秋祭り:宇和津彦神社(愛媛)で行われている祭。牛鬼や八つ鹿踊りなどが市内を練り歩く
立冬(りっとう)
冬の気配が山にも里にも感じられる頃
初候 山茶始開(つばき はじめて ひらく)
サザンカの花が咲き始める頃
次候 地始凍(ち はじめて こおる)
地が凍り始める頃
末候 金盞香(きんせんか さく)
水仙の花が咲き、芳しい香りが漂う頃
小雪(しょうせつ)
寒さが進み、雪が降り始める頃
初候 虹蔵不見(にじ かくれて みえず)
虹を見かけることが少なくなる頃
次候 朔風払葉(きたかぜ このはを はらう)
北風が木々の葉を払い落とす頃
末候 橘始黄(たちばな はじめて きばむ)
橘の実がだんだん黄色くなってくる頃
(11月旬の野菜)
ほうれん草、白菜、セロリ、レンコン、ゴボウ、シュンギク、ネギ、チンゲンサイ、辛子菜、レタス、わさび菜、野沢菜、ブロッコリ-、ヤーコン、サツマイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ジネンジョ、キクイモ、しょうが、ニンジン、ユリネ、ワサビ、カブ、トマト、さや大根、かぼちゃ、ギンナン、クワイ、アボカド
(同の果物)
みかん、りんご、ナシ、柿、レモン、ライム、ユズ、ネーブルオレンジ、かりん、ざくろ、キウイクランベリー、いちご、アボカド
(同の魚介類)
カレイ、サワラ、カワハギ、コチ、サンマ、サケ、カマス、ヒラメ、毛蟹、甲イカ、クエ、ボラ、ホタテ、カキ、アカガイ、アワビ、ツブガイ、アオリイカ、ブドウ、イカダコ、ズワイガニ、シバエビ、アマエビ、クルマエビ、イセエビ、シャコ、アンコウ、秋刀魚、メヒカリサバ、タイ、イワシ、ニシン、ハタハタ、コハダ、サヨリ、カンパチ、イシダイ、ワカサギ、オキアジ
(行事)
11/3 弥五郎どん祭り:岩川八幡神社(鹿児島)で行われ、弥五郎どんは武内宿弥の化身あるいは隼人族の首領ともいわれる
11/3 唐津くんち:唐津神社(佐賀)の祭。神社創建の日を祝う祭りとして、御神輿で御旅所に渡る御神幸から始まったといわれる
11/第2土曜日 松明あかし:福島県須賀川市の火祭り。日本三大火祭りの一つ。伊達政宗が勢力を伸ばして須賀川城の二階堂氏にも降伏を迫り、これに怒った家臣や領民が手に松明をともして決死の覚悟で城を守ることを決議して城主のに進言との故事が由来。落城後はこの戦いで戦死した多くの人々の霊を弔うための行事として祭りが続けられる
11/15 七五三:7歳、5歳、3歳の子どもの成長を祝う日本の年中行事。旧暦15日は二十八宿の鬼宿日(鬼が出歩かない日)に当たり、何事をするにも吉であるとされ、旧暦の11月は収穫を終えてその実りを神に感謝する月であり、その月の満月の日である15日に、氏神への収穫の感謝を兼ねて子供の成長を感謝し、加護を祈るようになったされる。館林城主である徳川徳松(江戸幕府第5代将軍である徳川綱吉の長男)の健康を祈って始まったとされる
11/23 新嘗祭:宮中祭祀のひとつ。天皇がその年に収穫された新穀などを天神地祇に供えて感謝の奉告を行い、これらの供え物を神からの賜りものとして自らも食する儀式である。宮中三殿の近くにある神嘉殿にて執り行われる。同じ日に全国の神社でも行われる
亥の子:旧暦10月の上旬の亥の日に行われる年中行事。亥の子餅を作って食べ、万病除去・子孫繁栄を祈る
11/25 出雲大社の神在祭:旧暦10月10日~17日まで、出雲大社では全国から神々を迎えて、神迎神事、神在祭などが執り行われる。神在祭の前夜、国譲りの伝承地・稲佐の浜では、神々を迎る神迎神事が行われ、大国主神の出雲大社に神幸され、翌日から出雲大社において「神在祭」が行われる。出雲大社の他に、日御碕神社や朝山神社、万九千神社、神原神社、神魂神社、多賀神社、佐太神社で神在祭があり、それが終わると万九千神社から神々はそれぞれの国に還るとされる
大雪(たいせつ)
本格的に雪が降り出す頃
初候 閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる)
真冬が訪れる頃
次候 熊蟄穴(くま あなに こもる)
熊が穴に入って冬籠りする頃
末候 鱖魚群(さけのうお むらがる)
鮭が群れをなして川を遡る頃
冬至(とうじ)
1年で最も昼が短く、夜が長い日
初候 乃東生(なつかれくさ しょうず)
うつぼ草の芽が出てくる頃
次候 麋角解(びかく げす)
鹿の角が抜け落ちて生え変わる頃
末候 雪下出麦(ゆきわりて むぎ のびる)
雪の下で麦が芽を出す頃
(12月旬の野菜)
ニラ、百合根、ネギ、かぼちゃ、白菜、レンコン、山芋、ホウレン草、高菜、野沢菜、水菜、壬生菜、小松菜、わさび菜、寒玉キャベツ、黒キャベツ、芽キャベツ、シュンギク、葉わさび、カリフラワー、ブロッコリ-、ダイコン、カブ、すぐき菜、ニンジン、ゴボウ、サツマイモ、安納芋、エビイモ、ワサビ、レンコン、ナガイモ、ジネンジョ、クワイ
(同の果物)
りんご、レモン、みかん、柿、ナシ、キウイフルーツ、ぶどう、いちご、アボカド、ライム、ユズ
(同の魚介類)
タラ、ブリ、アンコウ、サワラ、カキ、フグ、鮭、マグロ、鯉、イセエビ、アカガイ、ホタテ、ツブガイ、アワビ、ナマコ、コウイカヤリイカ、ダコ、ズワイガニ、アマエビ、シバエビ、クルマエビ、クマエビ、シャコ、ヒラメ、メヒカリ、サバ、スズキ、イワシ、ニシン、カワハギ、ハタハタ、コハダ、クエ、カレイ、キンメダイ、マダラ、ノドクロ、イトヨリ、タイ、カマス、ヒラメ、ムツ、カサゴ、サヨリ、カツオ、白魚、ワカサギボラ
(行事)
大根だきの日:京都で冬季に行われる年中行事。寺院などで大根を煮たものを参拝者に振る舞い、仏前に供える。了徳寺が大根焚の発祥といわれ、親鸞聖人が了徳寺を訪れ、村人たちに教えを説き、その教えに感銘を受けたお礼に塩炊きの大根を馳走しましたとの故事に由来する
12/8 針供養:12/8と2/8は事八日と呼ばれ、12/8を事納め、2/8を事始めとよび、事納めには農耕を終え。事始めには始めるとされていた。この両日はつつしみをもって過ごす日とされ、この日は針仕事を休むべきと考えられ、使えなくなった針を神社に納めることで供養し、裁縫の上達を祈ったとされる
12/13 正月の事始め:「煤払い」「松迎え」などの正月の準備にとりかかる日とされており、12/13は婚礼以外は万事に大吉とされる「鬼宿日」にあたることから、年神様を迎える準備を始めるのにふさわしい日とされる
12//15~16、1/15~16 世田谷ボロ市:小田原城主北条氏政がこの地に楽市を開いたのが始まり
12/18 羽子板市:浅草寺(東京)で行われ、「納めの観音」と呼ばれ人出を見越し、境内に正月用の品や縁起物の品を売る露店が集まり、浅草寺の歳の市では、江戸末期頃より羽子板を売る店が多くなった。羽子突きの羽根は虫を食べるトンボに似ていることから、悪い虫(病気)を食べる、あるいは羽根の先端に付いている「豆」から、「まめに暮らすことができる」など、羽子板はもともと縁起物として扱われ、やがて女子が誕生した家に羽子板を贈る風習が盛んになり、羽子板が歳の市の主役になった
小寒(しょうかん)
寒さが極まる手前の頃
初候 芹乃栄(せり すなわち さかう)
芹が群れ生えてくる頃
次候 水泉動(すいせん うごく)
地中で凍っていた泉が動き始める頃
末候 雉始雊(きじ はじめて なく)
雉のオスがメスに恋して鳴き始める頃
大寒(だいかん)
1年で最も寒さが厳しい頃
初候 款冬華(ふきのはな さく)
蕗の花が咲き始める頃
次候 水沢腹堅(さわみず こおりつめる)
沢の水が厚く張りつめる頃
末候 鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく)
鶏が卵を産み始める頃
(1月旬の野菜)
春菊、小松菜、水菜、かぶ、大根、ニンジン、レンコン、山芋、芽キャベツ、白菜、寒玉キャベツ、芽キャベツ、菜の花、蕗の薹、ホウレン草、壬生菜、わさび菜、ネギ、ブロッコリ-、カリフラワー、黒キャベツ、かつお菜、黄ニラ、野沢菜、高菜、根芋葉、わさび、ヤーコン、安納芋、サツマイモ、エビイモ、タケノコイモ、金時にんじん、ワサビ、ナガイモ、ジネンジョ、ユリネ、クワイ
(同の果物)
キンカン、はっさく、キウイ、りんご、ナシ、いちご、アボカド、みかん、ポンカン、ユズ、レモン
(同の魚介類)
ブリ、マナガツオ、アマダイ、ヒラメ、鮭、タラ、ワカサギ、イカ、カキ、氷下魚(コマイ)、メヒカリ、アカガイ、アンコウ、タラ、ツブガイ、ホッキガイ、ナマコ、ヤリイカ、イイダコ、イセエビ、ボタンエビ、ズワイガニ、シバエビ、クルマエビ、白魚、ヒラメ、スズキ、イワシ、ニシン、カワハギ、サバ、ハタハタ、コハダ、クエ、カレイ、ヒラメ、キンメダイ、サワラ、タイ、キビナゴ、イトヨリ、カマス、ムツカサゴ、サヨリ、アラメヒカリ、オキアジ
(行事)
1/7 春の七草:七草粥を人日の節句の朝に食べる。「人日」(人を殺さない日)に「七種菜羹」という7種類の野菜を入れたものを食べて無病を祈る習慣
1/7 爪切りの日:新年で初めて爪を切る日は「七草爪」と言われ、春の七草を浸した水、または七草をゆでた汁に爪につけて、爪を柔らかくしてから爪を切ると、その年は一年間病気にかからないと言われている
1/7 大善寺玉垂宮(福岡)の鬼夜:鬼夜(おによ)は当地を荒し、人民を苦しめていた賊徒・肥前国水上の桜桃沈輪を闇夜に松明を照らして探し出し、首を討ち取り焼却したのが始まりだと言われる。 松明六本が境内を巡る火祭り
1/7 鬼すべ神事:太宰府天満宮(福岡)で年の始めに、その年の災難消除や開運招福を願い、境内東神苑にある鬼すべ堂にて行われる火祭り
1/10 十日戎:1/9 宵戎、1/10本戎、1/11残り福。神無月(旧暦10月)に出雲に赴かない「留守神」とされたえびす神、ないしかまど神を祀り、1年の無事を感謝し、五穀豊穣、大漁、あるいは商売繁盛を祈願する
1/11 鏡開き:年神様のいる鏡餅を松の内の間は飾っておき、松の内が過ぎたら下げて食べ、年神様を送る。鏡餅を食べることで1年の家族の無病息災を願う
1/15 小正月:旧暦の1/15は立春後の望月にあたり、この日を正月としていたなごりで、元日を「大正月」、1月15日を「小正月」と呼ぶようになる。小正月には小豆粥を食べ、無病息災を祈る。「左義長」も行われ、小正月に正月飾りや書き初めを燃やす行事で、その煙に乗って年神様が天上に帰ってゆくとされる。三毬杖(さぎちょう)という青竹で正月飾りを焼いたことに由来。「どんど焼き」とも呼ばれ、その火で焼いたお餅などを食べると無病息災で過ごせるといわれる
1/16 薮入り
1/24 初地蔵:毎月24日は地蔵菩薩の縁日で、年の初めの1月24日は『初地蔵』として全国各地の地蔵尊を祀る寺では、様々な行事が行なわれる
1/31 晦日正月:「晦日正月」または「晦日節」ともいい、正月の終わりの日として祝い、正月の松飾りのある期間「松の内」に年始回りをしなかった家を訪ねる日
2/3 恵方巻き:節分に恵方を向いて無言で食べると良いとされる。起源は定かではなく、戦国時代の武将が、節分の日に丸かぶりして出陣したら戦に勝ったことに端を発するとする説がある
(日本の七十二侯を楽しむ 東邦出版、各種HP等より作成)
雑節
節分(せつぶん)
新暦2月3日。本来、節分とは季節の節目である「立春、立夏、立秋、立冬の前日」のことをいい、年に4回。ただ旧暦では春から新しい年が始まったため、立春の前日の節分は、大晦日に相当する大事な日となり、立春の前日の節分が重要視され、節分といえばこの日をさすようになった。季節の分かれ目、特に年の分かれ目には邪気が入りやすいと考えられており、さまざまな邪気祓い行事が行われてきた。豆まきも、新年を迎えるための邪気祓い行事。古代中国では、大晦日に「追儺(ついな)」という邪気祓いの行事があり、桃の木で作った弓矢を射って、鬼を追い払う行事。これが奈良時代に日本に伝わり、平安時代に宮中行事として取り入れられ、その行事のひとつ「豆打ち」の名残が「豆まき」で、江戸時代に庶民の間に広がった。豆を”打つ”から”まく”に変わったのは、農民の豊作を願う気持ちを反映し、畑に豆をまくしぐさを表しているからだといわれる。鬼を追い払う豆は、五穀の中でも穀霊が宿るといわれる大豆。豆が「魔滅」、豆を煎ることで「魔の目を射る」ことに通じるため、煎った大豆を使い、これを「福豆」とする(暮らし歳時記HPより)。
主なイベントでは、島根県の須佐神社では、毎年節分祭に「茅の輪(ちのわ)」を授与し、「蘇民将来之子孫」と記した守護札を授与。節分の日に参拝した人々は「茅の輪」を受け首にかけて持ち帰り、玄関や入り口に掲げ疫病除け、悪災疫除けの神符としており、須佐之男命が「今から後の世に疫病がはやれば、お前達は “ 蘇民将来の子孫 ” といって、茅の輪を腰につけなさい。私の言うとおりにすれば、茅の輪を腰につけた者は疫病から免れるだろう」と言われた、との話に由来(須佐神社HPより)。
彼岸(ひがん)
新暦3月21日、9月23日頃。春分、秋分を挟んだ7日間で。中日である春分の日、秋分の日は国民の祝日。「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ、煩悩と迷いの世界である此岸(しがん)にある者が、「六波羅蜜」(ろくはらみつ)の修行をする事で「悟りの世界」すなわち「彼岸」(ひがん)の境地へ到達することが出来るというもの。太陽が真東から上がって、真西に沈み昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日を挟んだ前後3日の計7日間を「彼岸」と呼び、この期間に仏様の供養をする事で極楽浄土へ行くことが出来ると考えられていた。
六波羅蜜とは
菩薩が涅槃(ねはん)の世界に入るために修める六つの行。布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の各波羅蜜
布施(ふせ)波羅蜜:見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと
持戒(じかい)波羅蜜:戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと
忍辱(にんにく)波羅蜜:身に起こる災いを受け容れ、耐えしのぶこと
精進(しょうじん)波羅蜜:誠心誠意努力を続けること
禅定(ぜんじょう)波羅蜜:常に静かな心を持ち、動揺しないこと
智慧(ちえ)波羅蜜:怒りや愚痴、貪りに捉われず、物事の真理を正しく見極めること
(株式会社加登HPより)
社日(しゃにち)
社日は生まれた土地の神様(産土神)を祀る日。春と秋の2回行われ、春のものを春社(しゅんしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ)という。春分(3月20日頃)と秋分(9月23日頃)のそれぞれに最も近い戊(つちのえ)の日を指す。「戊」という文字には「土」という意味があり、春の社日は種まきの時期にあたり、秋の社日は収穫の時期にあたり、そのため社日は全国的に重要な節目の日とされるようになった。春には五穀豊穣の祈願が、秋には無事に作物を収穫するための祈願が行われる(日本文化いろは事典HPより)。
八十八夜(はちじゅうはちや)
立春から数えて 88日目で,新暦では5月2日頃。八十八夜を過ぎれば晩霜も終りになるので,農家ではこれを種まきや茶摘み,その他の農作業開始の基準としている。茶摘みの適期でもあり、漁の目安とする所もあり,瀬戸内では魚島時(うおじまどき)といわれるほど豊漁のつづくころといわれ,種子島や屋久島ではトビウオ漁開始の時期とされる(ジャパンナレッジHPより)。例年お茶の産地の京都の宇治では、宇治茶づくしのイベントが、宇治茶会館で開催され、この日に摘んだ茶は上等なものとされ、この日にお茶を飲むと長生きするともいわれている。
入梅(にゅうばい)
入梅は、芒種(5月節気)から5日目に当る新暦6月11日頃の時期。芒種の後の最初の壬(みずのえ)のこの日を境に梅雨の季節に入り、陰陽五行説で「壬は水の気の強い性格」とされており、水と縁がある日ということで、入梅の時期の目安に選ばれた。農作物の出来高をよりよいものにするために「梅雨」がくる時期の目安を知っておく必要があり、江戸時代に設けられたとの説があり、この日から約30日間が梅雨入りとなり、実際には地域や気候によって差が生じるため、気象庁の出す「梅雨入り宣言」が実際の梅雨入りの目安になっている。入梅は黄経(太陽の経路)が80度を通過する日(日本文化いろは事典HPより)。
半夏生(はんげしょう)
夏至から11日目。夏至を3つに分けた最後の3分の1の期間。新暦の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間で半夏生薬草の半夏が生え、梅雨明けの時期で田植えを終える目安。この日から5日間は休みとする地方もあり、天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べてはいけないとされたり、七夕にも農作業を休むとする伝承が多くの地域に伝わる。また、関西では農作物がタコの足のようにしっかり根付くようにと、豊作の願いを込めてタコを食べていたとのことで、兵庫県明石市では様々なイベントが当日行われる。
土用(どよう)
立春、立花、立秋、立冬直前の18日間。中国では、1年春・夏・秋・冬の四季に、木・火・土・金・水の五行をあてようとしたが、四季に五つを割り当てられず、春・夏・秋・冬の四季に木・火・金・水をあて、各季の終わり18日余に土気をあてる。これを土用といい、土曜用事を略したもの土用は、この五行に由来する。春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用の入りで、今日では夏の土用が多く用いられており、夏の土用に入って(新暦7月20日ごろ)、最初の丑(うし)の日が「土用丑」。このころは1年でもっとも暑いときで、土用干しといって衣服や書物などの虫干し、丑湯といって薬湯に入ったり、夏負けしないためウナギの蒲(かば)焼きやどじょう汁を食べる風習がある。また、この間は、土の気が盛んになるとして、動土・穴掘り等の土を犯す作業や殺生が忌まれている。五行の性質において、木気は植物のような発育伸長する勢いある傾向、火気は勢いが頂点に達し燃え盛る性質、金気は熱や勢いが衰え凝縮・固化しつつある状態、水気は凝縮しきってエネルギーを秘めつつ静的に留まった状態であり、これらは四季、太陽、植物などの周期変化の観察から象徴化されている(ジャパンナレッジHP等から作成)。
二百十日(にひゃくとおか)
新暦9月1日頃。立春から210日目。
二百二十日(にひゃくはつか)
新暦9月11日頃。立春から220日目。
農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期で、過去の経験から、農家にとっては油断のならないこの日を厄日として戒めるようになり、旧暦8月1日の「八朔(はっさく)」、「二百十日」、「二百二十日」を農家の三大厄日としている。農作物を守るために風を鎮めるための風祭りは全国各地に残っている(暮らし歳時記HPより)。関東から東北にかけては,風穴ふたぎといって団子をつくって家々の神棚に供え、風祭のためと称して獅子舞をするところもあり,長野県をはじめ諏訪信仰の広がる地方では,風を切るまじないである風切り鎌を棟や軒につけたり、富山県には吹かぬ堂という風神堂が十数ヵ所あり,そこで大風が吹かないように祈り、奈良県竜田神社の風の神祭は古くから有名で,伊勢の風の宮,長野県諏訪神社の薙鎌を立てての風祭,熊本県阿蘇神社の風鎮祭なども知られている(コトバンクHPより)。夏目漱石の小説にも「二百十日」があり、1年で最も風が強く天候が荒れる日のために予想外のトラブルに巻き込まれるという話になっている。
五節句
人日(じんじつ) 1/7
元日からそれぞれの日に獣畜を当てはめて占う風習が中国にあり、正月の1日を鶏の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(豚)の日、4日を羊の日、5日を牛の日、6日を馬の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さないようにし、7日目を人の日(人日)とし、犯罪者に対する刑罰は行わないことにしていた。またこの日には7種類の野菜(七草)を入れた羹(あつもの)を食べる習慣があり、これが日本に伝わって七種粥となっている。日本では平安時代から始められ、江戸時代より一般に定着。江戸幕府の公式行事となり、将軍以下全ての武士が七種粥を食べて人日の節句を祝った。この日は新年になって初めて爪を切る日ともされ、七種を浸した水に爪をつけて、柔かくしてから切ると、その年は風邪をひかないといわれている。
上巳(じょうし) 3/3
旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節であることから、桃の節句とも呼ばれ「雛まつり」の起源は京の貴族階級の子女が、天皇の御所を模した御殿や飾り付けで遊んだ平安時代の「雛あそび」が始まりとされている。元々は、5月5日の端午の節句とともに男女の別なく行われていましたが、江戸時代ごろから、豪華な雛人形は女の子に属するものとされ、端午の節句(菖蒲の節句)は「尚武」にかけて男の子の節句とされるようになった。
端午(たんご) 5/5
上述の通り
七夕(しちせき) 7/7
旧暦の7月7日。新暦以降は7月7日又は月遅れの8月7日に分かれて七夕祭りが行われる。「七夕」を「棚機(たなばた)」や棚幡と表記。そもそも七夕はお盆行事の一環でもあり、精霊棚とその幡を安置するのが7日の夕方であることから7日の夕で「七夕」と書いて「たなばた」と発音するようになったといわれる。
重陽(ちょうよう) 9/9
旧暦では菊が咲く季節であることから菊の節句とも呼ばれる。陰陽思想では奇数は陽の数であり、陽数の極である9が 重なる日であることから「重陽」と呼ばれる。奇数の重なる月日は陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを払う行事として節句が行なわれていたが、その後陽の重なりを吉祥とする考えに転じ、祝い事となった。邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりし、前夜菊に綿をおいて、露を染ませ身体をぬぐうなどの習慣があった。
(Halenohi-Tokyo HPより作成)